東日本大震災から1年半
2012-09-11


東日本大震災から1年半経ちましたが、停止中の原発の再稼動が早々と決まった以外には復興は遅々として進んでいないように見えます。
「東日本大震災で被災した東北地方で、災害公営住宅(復興住宅)の建設が進んでいない。青森、岩手、宮城、福島4県が計画する2万7667戸のうち、1日時点で着工したのはわずか1.6%だ。多くの仮設住宅が居住期間(現段階で3年間)を終える2014年度末までの完成は4割にとどまる見込み。背景には、被災地の適地不足と自治体職員の人手不足が横たわる。」(2012年9月9日 河北新報社)
ほとんどの津波浸水地が高台への移転を決めましたが、本当にそれでよかったのか私は今でも疑問に思っています。今まで住んでいた街をそっくり移すというのは街を捨てるのとほとんど同じことに思えます。すべてを捨てて津波から逃げ切ってしまうのではなく、自然とどう向き合うのかをもっと冷静に考えることが必要ではなかったかと思います。8月29日に国が南海トラフ地震の被害想定を発表しましたが、津波被害を避けるために日本の海岸沿いのすべての街を高台に移すなどといったことは言うまでもなく不可能で非現実的です。高台への避難路の確保や既存の低層建物を可能な限り津波避難ビルに建て替える、たとえば公営住宅や学校なども含めた公共建物を津波避難ビルとしても機能し得るような建物として整備するなど考えられることはあると思います。東日本大震災の浸水地でもこのような方法で1日でも早くコミュニティを守りながら復興していくほうが、より現実的で賢明な方法ではないでしょうか。
「宮城県と岩手県の津波被害が大きかった沿岸部の27の自治体からも合わせて1万4637人が流出し、復興に大きな影響が出るおそれが出てきています。」(被災地から7.5万人余の人口流出 2012年9月11日 NHK)
「歴史は繰り返す」ではありませんが、復興に際して一旦高台移転という大きな流れが起こって一億総思考停止状態になってしまったのではないかとさえ思われます。
[東日本大震災]

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